ロシアの首都を生き抜くことは時として簡単ではないことを描いたオスカー受賞作のソビエト映画 『モスクワは涙を信じない』が自然と思い出される。アリーナもまた相当の涙を飲んだ。というのも、彼女はモスクワでのトレーニングを始めるとすぐ、2つの大怪我をしたのである。最初は腕を骨折し、その後、足を骨折した。アリーナは歩く練習から始めなければならなかった。彼女が回復した後、両親はアリーナをイジェフスクに戻すことに決めたが、その前に、指導に対する感謝を込めてエテリ・トゥトベリゼに花束を持って挨拶に行った。しかし、当初から才能のあるアリーナに大きな可能性を見出していたコーチは、もういちど最初からやり直すことを提案した。アリーナはこれに同意し、特別な熱意をもってトレーニングに取り組み始めた。それが実を結んだのである。