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東京のレストラン「ゴドノフ」:日本の味を取り入れたロシア料理店
3月12日、日本のワールドリカーインポーターズ株式会社が、有名なモスクワのレストラン「ゴドノフ」の日本1号店を東京にオープンした。
16日、「スプートニク」のロシア人記者が、試食のためオープンしたてのレストランへ招かれた。記者は「ゴドノフ東京」のおすすめ料理をご馳走になった。スプートニクの記者が、なぜ日本にオープンした「ゴドノフ」はロシア人にも日本人にも気に入られるのかをお話しする。
「ゴドノフ」は、丸の内ビルディング5Fにある。客席は62席とそれほど広くはない。東京のゴドノフのコンセプトは、モスクワのゴドノフとは異なっている。東京にはモスクワのような18世紀のロシアの邸宅様式の豪華な内装や、感情豊かなジプシーの歌の演奏もない。だが東京のゴドノフでは、日本人が考える古典的なロシアのレストランが表現されており、それがすべての人を喜ばせている。
レストランがオープンする前、料理長の角田健次さんはモスクワに短期間滞在し、ボルシチなどのロシア料理のコツを学んだ。だが角田さんはロシアのレシピ通りにつくろうとはしていない。なぜなら日本では必要な食材が手に入らないことが多々あるからだ。また日本人の味の好みはロシア人とは異なっている。
角田さんは次のように語っている-
“
ゴドノフのオリジナルレシピをそのまま使っている部分と、僕達が東京でロシア料理をこんな風に日本の皆様に伝えていきたいっていう、オリジナリティを半分半分くらいで構成しています。日本には伝わりにくいんじゃないかと僕が感じた部分はオリジナリティを出して、地域柄とか丸の内に合わせたような盛り込みだったり見せ方もしてて、でもゴドノフの伝統ある料理っていうのはそのまま僕も引き継ぎたいところはしっかり引き継いでいる。そういうのを大事にしています。
スプートニクのロシア人記者は「ゴドノフ東京」おすすめの料理、「オリヴィエ・サラダ」、煮こごり料理、ピロシキが添えられた「ボルシチ」、「アンガス牛サーロインのパイ包みロースト赤ワインのソース添え」、そしてカッテージチーズを使ったデザート「スィールニキ」をご馳走になった。レストラン関係者のある女性は、スプートニクのロシア人記者が東京で暮らしていることを知り、ロシアが恋しくなりませんか?と尋ねた。ロシア人記者の返事は、「すごく恋しい!」。ボルシチが母親がつくるボルシチの味とまったく同じだったため、特に恋しくなった。
スプートニク
番美味しいものは、やはりボルシチですか?
角田さん
やっぱりボルシチは、特にゴドノフのボルシチは特徴的なので、やはりしっかり一番、日本のみな様には飲んでいただきたいと思います。
スプートニク
美味しいボルシチの秘密はなんでしょうか?
角田さん
美味しいボルシチの秘密はやはり、ビーツの量と、特にゴドノフは最後にマリーナといって、フランボワーズのソースをスープに混ぜ込んで、独特な酸味とか爽やかさとか風味とか、ゴドノフ流のボルシチなんで、そこはやっぱり一番特徴として、大事にしている部分ですね。あれがたぶん、味の決め手だと思います。
ロシア人からのアドバイス
ボルシチを十分に堪能するためには、ボルシチと一緒に肉入りピロシキを注文してください。
目玉メニューは「スィールニキ」。「ゴドノフ東京」のスィールニキには、ベリーと生クリームが添えられている。ロシアの家庭ではスィールニキがよくつくられ、各家庭にその家庭ならではの秘伝がある。だが絶対に欠かせないのがカッテージチーズだ。しかし日本にはロシアのようなカッテージチーズがない。そのため「ゴドノフ東京」のスィールニキはクレープに近い。だがスィールニキが「ゴドノフ東京」のおすすめデザートであることに間違いはない。
スプートニク
日本にはロシアみたいなカッテージチーズはないですね。
角田さん
ないですね。サワークリームもそうなんですけれど。
スプートニク
自分で作られますか?
角田さん
いえ、ちょっと味を少し変えています。自分たちで配合を変えたりして、生クリーム少し足したりとか。ロシアのサワークリームはたぶん、酸味がなくて酸っぱくないんですが、日本のサワークリームは全部が酸っぱいんですよね。それは自分たちでロシアのサワークリームとかスメタナに近いように自分たちで配合を変えて工夫はしています。
ロシア人からのアドバイス
スィールニキは紅茶と一緒にいただくとより一層おいしく感じる。
ホットディッシュには「ビーフストロガノフ」がある。牛肉をサワークリームで煮込むこの料理は世界で最も有名なロシア料理と言っても過言ではない。「ゴドノフ東京」のメニューには「ゴドノフで引き継がれる伝統のビーフストロガノフ。スメタナ(サワークリーム)で作られるストロガノフはロシアでは定番の味」と書かれている。
ロシア人からのアドバイス
ビーフストロガノフは塩漬けのキュウリと一緒に食べるのが一番のおすすめ。
また「アンガス牛サーロインのパイ包みロースト赤ワインのソース添え」も食べる価値がある。
レストランのスタッフによると、これは古くからあるロシア料理。牛肉は心地よい甘さがあり、キノコがアクセントとなっている。
メニューは主にモスクワのゴドノフの料理で構成されているが、ロシア料理の他に日本人にとって馴染みの深いカレーパンや野菜グラタンもメニューに含まれている。また「ゴドノフ東京」のために特別にロシア風ロールキャベツ「ガルプツィ」を彷彿させるロールキャベツ、ロシアの煮こごり料理を基にした「蟹とアボカド【ハラジェツ】蟹のソースを添えて」という名の料理、また「ポークスパイシー【シャシリク】トマトサルサソース」という肉料理のレシピも開発された。ロシア料理は
こちら
でご紹介しています。
東京の「ゴドノフ」は、日本人がおいしく感じるオリジナルのロシア料理店と表現するのがより正確かもしれない。日本の多くのレストランと同じように内装はシンプルだが、ここはロシア人にとっても日本人にとっても心地いい。ボルシチが好きな人、また新しい味を求めているすべての人に「ゴドノフ東京」をお勧めする。
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筆者:
アナスタシア・フェドトワ
デザイン:
アナスタシア・フェドトワ
写真:
Fotolia/Natalielissy、Fotolia/KayOne73
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