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イリヤ・クブシノブのイラスト:漫画やゲームに対するロシア人アーティストの貢献






イリヤ・クブシノブは自分のスタイルを確立することに成功し、そのスタイルは漫画とアニメの故郷である日本でもよく知られ、敬愛されるものとなった。
ロシアのアーティスト、イリヤ・クブシノブが漫画やゲーム業界で重要な人物となって久しい。イリヤの作品は驚くほどに繊細で感動的であり、高い想像力と現実性を備えている。

スプートニクのインタビューで、イリヤがこれまでの人生と将来の展望を語ってくれた。

イリヤはロシアの都市ペンザ(ロシア中央部)の出身である。子供の頃から漫画、テレビゲーム、アニメが好きだった。高校卒業後は建築を学び、まさか自分の趣味がいつか人生の糧となり、収入をもたらそうとは考えてもいなかった。 しかしながら、これらは後に彼の天職となった。

イリヤはモーションコミックスシリーズの仕事を終えた2014年以降、日本でキャリアを続けることを決めた。彼はすぐに日本の生活に慣れ、日本語を習得し、新たなプロジェクトの作業にとりかかった。


スプートニク:
創作を始めたばかりの頃のことを教えてください。今の仕事を選ぶ上でインスピレーションとなったのは何ですか?
クブシノブ:
6歳の時、攻殻機動隊を見て感動しました。たくさん絵を書いて、短いストーリーも作るようになりました。
スプートニク:
漫画ジャンルでの最初の作品を覚えていますか?プロとしての最初のイラスト作品は?
クブシノブ:
最初の漫画を描いたのは13歳の時です。その頃は、実際に漫画がどのように描かれるのか、例えば、筆やスクリーントーンのことなどは知らなかったので、すべて普通の鉛筆で描いていました。初めて報酬をもらってイラストを描いたのは19歳の時です。そのイラストは鉛筆画をスキャンして、フォトショップで色付けしたものでした。19歳になる頃までに、すでに美術学校を卒業していたので、風景画、静物画、石膏でできた頭部像を描いた経験はたくさんありましたが、イラストを描くことに関しては、全く何の経験もありませんでした。

今ではたくさんの作品を制作しており、イリヤはそれらをInstagramDeviantArtTumblrなど、さまざまなSNSにアップしている。イリヤの作品をフォローするファンの数はすでに百万人を超え、さらに増え続けている。イリヤは2016年、日本のある出版社から自身の作品集を出版した。ロマンティックな都市の風景からサイエンスフィクション風の作品に至るまで、さまざまなジャンルの主要なイラストを集めた本(Momentary: The Art of Ilya Kuvshinov)である。
スプートニク:
あなたに最も影響を及ぼしている日本のアーティストは誰ですか?
クブシノブ:
イラストレーターだと、村田蓮爾、寺田克也、副島成記に最も影響を受けており、アニメ監督だと宮崎駿、今敏、漫画家だと、高橋留美子、浅野いにおです。
スプートニク:
好きなアニメは何ですか?
クブシノブ:
攻殻機動隊、パプリカ、アキラです。
スプートニク:
夢見ていることはありますか?
クブシノブ:
地理的障壁や言語の壁のない環境を希望しています。才能があり、目的意識を持ったクリエイターたちと、たとえ文化や言語の違いがあっても、力を合わせて、何か新しいものを作っていきたいと思います。インターネットのおかげで、これが現実に近づいています。
本の表紙やゲームのイラスト以外に、イリヤは大きなプロジェクトにも参加している。彼はGameinsightというゲームの開発会社、スタジオNARR8(グラフィック・ノベルの制作会社)など多くの会社でアートディレクターを務めた。イリヤは、スプートニクのインタビューで、現在、自分にとって最大にして、最も魅力的なプロジェクトのひとつに取り組んでいると述べた。しかし、プロジェクトの本質については、語らなかった。今はまだ語ることが許されていないためだ。いずれにせよ、今後、嬉しいサプライズが待っていることは間違いない。

この分野で大きな成功を収めているにもかかわらず、イリヤは謙虚であり、まだやるべき仕事がたくさんあると話す。例えば、イラストや芸術を教える学校、さらにアニメーション博物館の開設といった、 技術や文化を次につなげる役割も果たしたいと語った。彼の今後の活動に期待したい。


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