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スプートニクQ&A
「日本の家庭でも簡単に作れるような美味しいロシア料理はないの?」
スプートニクQ&Aのコーナーでは、読者の皆さまのご質問にお答えします。「日本の家庭でも簡単に作って食べられるようなフクースナな(おいしい)ロシア料理はありませんか?」という質問が読者のY.M. さんから届きました。 今回、スプートニクは魚のスープ「ウハー」の作り方、チョコレートソーセージの材料、ロシアで一番人気の飲み物などをご紹介します。これらはすべて、とても簡単にできるロシア料理です!

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ロシア料理といえば、何が有名ですか?
ロシア料理といえば、ボルシチ、ピロシキ、ペリメニ、サラダのオリヴィエや「毛皮を着たニシン」などが有名ですが、こうした料理を日本の家庭で作るのは容易ではありません。そして、あまり知られてはいませんが、魚はロシアでも日本と同じくらいポピュラーな食材なのです。ロシアで最もよく食される魚はニシンだというステレオタイプがありますが、ロシアでは他にも、例えば、アトランティックサーモン、スズキ目のパーチ、カマス、サケ科のムクスン、チョウザメ、フナ、小さな川魚なども好んで食されています。魚を使った最も有名な料理は「ウハー」と呼ばれるスープです。
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魚がなければウハーは作れませんが、魚のスープがすべてウハーと呼べる訳ではありません。専門家に言わせると、正統なウハーには穀物や小麦粉を入れてはならず、加える具材は香辛料、野菜、葉物だけだといいます。
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調理に必要な材料:魚(例えば、アトランティックサーモン)、タマネギ(1個)、ジャガイモ(4個)、人参(1本)、水(2L)、粒胡椒、ローリエ、塩、胡椒(挽いたもの)、ディル(1/4束)、お好みで香辛料。
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アトランティックサーモンを適当な大きさに切る。皮をむいたジャガイモはさいの目に、タマネギは小さなさいの目に切り、人参は輪切りにする。
2
2リットルのお湯を沸かす。
3
沸かしたお湯に、切った野菜、魚、粒胡椒とローリエを入れる。
4
沸騰したら、アクを取り、弱火で25~30分煮る。塩胡椒で味を調えるのをお忘れなく。
5
できあがったアトランティックサーモンのウハーにディルをまぶす。
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また、日本でもロシアでもポピュラーな食材、鮭でもウハーを作ることができます。レシピは以下の通りです。
1
鮭を水洗いし、適当な大きさに切る。鮭を鍋に並べ、水を注ぎ、火にかける。20分煮る。
2
魚のスープができたら、スープを漉して、再び火にかける。魚の身は小さくほぐす。
3
人参を千切りに、タマネギはみじん切りにする。ジャガイモは小さなさいの目に切る。
4
スープが沸騰したら、ジャガイモと鮭を入れる。
5
15分後にタマネギと人参を加える。
6
5分後にローリエ、粒胡椒、ディルを加える。お好みで塩で味を調える。
7
さらに3分煮て、火から下ろす。味が染みこむのを待ったら、鮭のウハーの出来上がり。
ロシアでは通常、スープは昼食時に食べるものであり、「第一の皿」と呼ばれています。そして「第二の皿」として、例えば、ジャガイモとカツレツ(ハンバーグ)やテフテリ(ミートボール)、白米と肉料理などが出されます。
ジャガイモはとてもポピュラーな食材であり、多くの料理に使われていますが、ロシア人が最も好む食べ方は、焼きジャガイモか湯がいたジャガイモです。

ジャガイモのピューレの作り方は簡単です。ジャガイモを塩水で湯がき、お湯を捨てたら、バターと暖めた牛乳を加え、ジャガイモを潰します。
焼きジャガイモも簡単です。ジャガイモを薄切りにし、フライパンで香辛料と一緒に焼きます。タマネギを加えても構いません。ロシア人はこうしたジャガイモ料理をピクルスと一緒に、例えば、酢漬けのキュウリと一緒に食べます。

通常、ジャガイモのピューレや焼きジャガイモには、肉料理が付いています。今日はテフテリをお教えしましょう。テフテリとは、お米の入った丸いミートボールです。テフテリも作り方は簡単です。
1
挽肉(種類は問わない)を用意し、タマネギ、ニンニク、香辛料(塩胡椒)を加える。
2
米を硬く炊き、挽肉と混ぜ合わせて、生卵を加える。
3
ボール状に丸める。
4
フライパンでテフテリを軽く焼く。
5
テフテリを鍋に移し、残ったフライパンで人参とタマネギを炒める。
6
フライパンに細かく切ったトマト(もしくはトマトピューレ)、水、塩胡椒を加え、沸騰したらすぐに、テフテリの入った鍋に注ぐ。必要に応じて、水を足す。
7
弱火で40分~50分煮る。
ご覧のとおり、ロシア料理は一見したところ難しそうに見えますが、実際には簡単な料理も多いのです。ロシア人は前菜に軽いサラダも作ります。
夏場であれば、通常、トマトとキュウリに、お好みで好きな食材を加えたサラダを作り、冬場は人参のサラダを作ることもあります。このサラダも作り方は簡単です。人参をおろし金で粗く削り、お好みでナッツ、レーズンもしくはすりおろしたリンゴを加えます。砂糖をまぶして、デザートとして食べることもできます。
肝心のデザートですが、ロシアで最もよく食べられているのがチョコレートソーセージです!

材料はサクサクしたクッキー(500グラム)、コンデンスミルク(400グラム)、バター(1パック、約300グラム)、粉ココア(小さじ5杯)です。
1
サクサクしたクッキーを細かく砕き、柔らかくしたバター(溶かさないこと)と混ぜ合わせ、ココアとコンデンスミルクを加えて、よく混ぜる。
2
ときどき水っぽいコンデンスミルクに当たることがあるので、そのときは、入れすぎないように気をつけながら、少しずつ加えていく。
3
形を整えるために生地をラップでくるみ、冷蔵庫で2~3時間冷やす。
チョコレートソーセージは熱い紅茶にも合いますが、ロシアでポピュラーな飲み物であるコンポートを作っても良いでしょう。

コンポートの作り方:お湯を沸かし、あらかじめ細かく砕いておいたフルーツ(リンゴ、モモ、アンズ、キウイ、マンゴー、イチゴ、ぶどう、プラムなど、何でも好きなフルーツやベリーをどうぞ)を入れて、お好みで砂糖を加えます。沸騰したら、火から下ろします。ロシアでは通常、ビルベリー、イチゴ、ラズベリー、クロマメノキ、コケモモ、クランベリーなどのベリーを使うことが多く、ドライフルーツを加えることもあります。
美味しくお召し上がりください!
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筆者
スプートニクQ&A

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ラグノー・アナスタシア

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