プーシキン美術館が世界最高のフランス絵画のコレクションを東京に持ってきた!
フランス絵画の最大コレクションは、不思議なことにフランスではなく、ロシアのプーシキン美術館にある。4月14日から、このコレクションの伝説の名作を東京で見ることができる。東京都美術館で、フランス風景画の素晴らしい世界を紹介する展覧会「旅するフランス風景画」始まった。
国立プーシキン美術館は16世紀から20世紀のフランス風景画の膨大なコレクションを有しており、そこから最高傑作65点が東京にやってきた。作品は7月8日まで東京で展示された後、大阪へと向かう。プーシキン美術館がこれほどの規模の展覧会を日本で行うのは5年ぶりで、前回の2013年には、別のフランス美術の傑作を見るために100万人以上が展覧会を訪れた。主催者は、今回も関心は高いだろうと確信する。なぜなら、日本の来館者を喜ばせるだけの作品を揃えているからだ。
国立プーシキン美術館のマリーナ・ロシャク館長は展覧会の開会式で次のように挨拶した。「世界に攻撃的な脅威があふれる今、世界の中で私たちを取り巻く美しい部分、風景画と呼ばれるものに意識を集中することが特に重要だと思います。」

プーシキン美術館からどのような名作がやってきたのですか?
展覧会の顔は、マリア・ロシャク館長が「神話的」と呼ぶ、1866年に描かれたクロード・モネの《草上の昼食》である。この絵画はロシアの有名なコレクター、セルゲイ・シュキンがモネのアトリエから直接購入したものだ。
マリア・ロシャク館長は言う。「《草上の昼食》は、クロード・モネにとっても、フランス美術の一つの段階としても、本当に極めて重要です。今では想像できないことがですが、自由に座ってピクニックをしているこの人たちそのものが、すでに(編集部注:美術の解放に向けた)大きな一歩だったのです。」


この展覧会で見られるクロード・モネの作品は《草上の昼食》だけではない。《日だまりのライラック》、絵の中央に「日本の」橋が描かれていることで日本では有名な《白い睡蓮》、《ジヴェルニーの積みわら》があり、これらは南仏プロヴァンスの美しさを称える素晴らしい絵画である。
展覧会のキュレーターであるアレクセイ・ペトゥホフは、次の絵画にも注目を促す。「ここには、素晴らしい絵画がまず2つあります。有名な作品であるピエール=オーギュスト・ルノワールの《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》と、古典的なパリの灰色の色調で、パリの街の雰囲気にすぐに飲み込まれてしまいそうな壮大な絵画、ルイジ・ロワールの《パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)》です。他にも、ポール・セザンヌの初期から晩期の作品、巨大な美しい絵画であるピエール・ボナールの《夏、ダンス》など、素晴らしい作品があります。ボナールの作品は、南フランスの賛美歌であり、素晴らしい絵画です。パリから帰ってきたばかりの、といってもモスクワにではなく、日本に直行したアンドレ・ドランの《港に並ぶヨット》は1905年に描かれた伝説の作品です。」
展覧会を訪れたなら、必ず3階に上がって、20世紀初頭の画家が作りあげた色とりどりの世界を見てほしい。ここには、ポール・ゴーギャンの素晴らしいタヒチの風景画、世界的に有名なアンリ・ルソーの《馬を襲うジャガー》も展示されている。ところで、ルソーの南国のデコレーションを再現した展示室の出口ではセルフィーを撮影することも可能だ。
展覧会の特徴は?
「旅するフランス風景画」は、フランス風景画の歴史を紹介するだけでなく、フランスそのものへの旅行である。主催者によると、このアイデアはずっと昔から温めていたものであるが、初めて日本で実現をみることになったのだという。

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旅行は展覧会の2階から始まる。最初の街はパリだ。壁には絵画だけでなく、本物のパリの地図もかかっており、パリの様々な地区の情報を見ることもできる。

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次に首都から自然へと移る。南仏プロヴァンスの美しさと豊かな自然をテーマにしているのが次の展示室だ。クロード・モネ、アルフレッド・シスレー、ポール・セザンヌといった印象派の偉大な画家はプロヴァンスの自然にインスピレーションを得て、その自然を自らの絵画で称えた。

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次はコート・ダジュールに行ってみよう。ここにはまったく違った色合い、雰囲気の絵画が展示されている。

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そして、最後の展示室では、20世紀初頭の画家たちの空想の世界を旅することになる。

今回やってきた絵画のほとんどは、日本初公開か数十年ぶりに日本で展示されるものばかり。また、なかには今回の展覧会のために特別に修復された絵画もあり、そうした作品はロシアではなく、まさに日本で初めてのお披露目となる。展覧会のキュレーターであるアンナ・スリモワは次のように語る。「修復はギリギリまで続いていて、その後、絵画は梱包されて、日本に輸送されました。つまり、ロシアではまだ誰も見ておらず、ここ日本で初めてこれらの作品を見ることができるのです。」
展覧会は障害のある人々にも楽しんでいただけるようになっている。視覚障害のある人のためには、主要な絵画の模型が用意されており、それを使えば、傑作について、自分なりの印象を得ることができる。また、聴覚障害のある人には、手話での案内が行われる予定だ。
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