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「僕は、12歳。職業は、中島芭旺」= 最年少の日本人哲学者へのスプートニク独占インタビュー
中島芭旺くんは9歳の時に本を執筆した。芭旺くんはその数年前にいじめが原因で学校に行くのをやめた。自殺さえ考えたという。だがこんなに若い時分に人生を終える代わりに、ものの見方を変えることを決意し、自分の考えを書き留め始めた。
芭旺くんの著書『見てる、知ってる、考えてる』は、日本で発行部数17万部を超えるベストセラーとなった。
中島芭旺くんがスプートニクの独占インタビューで家族、友達、学校、世界観について語った。どうぞご覧ください!
1.
勉強について
僕にとっての学校は地球なんだと思っています
僕は、学びたい人から学びたいことを学ぶのが好きです。いま、この取材に返事をしているというのも僕の大切な学び。本を書いたり取材を受けたりするということは、自分を知るという授業です。僕は常に自分でいろいろ試行錯誤しながら動いている。そしてこんなふうに取材の申し込みをもらって質問に答えるという事で、自分のことを知りそれを言葉で表現します。今月はテレビやラジオに出演したり、孫正義育英財団の施設で行われるマインドフルネスのワークショップに参加したりします。僕にとっての学校は地球なんだと思っています。
写真:John Gillespie/Flickr
学校でいじめられていたあの頃
僕はいつも死にたいと考えていた
死にたい
死にたい
死にたい
僕はあるとき気づいた。
死にたいというのは、
いじめられてそれでも我慢してる僕を
やめたいと思っているんだということに。
だから
僕は自分を殺すんじゃなくて
いじめられることをやめた
いじめられる場所に行かないと決めた
そう、学校に行くのをやめた。
2.芭旺くんの考え方
基本
僕は僕でありたい。
影響を与えた哲人
1番影響を与えたのはやっぱり中島芭旺っていう自分です。 僕が僕を嫌いだったから僕はいろんな事を学んだ。あとは「嫌われる勇気」という本は僕に勇気をくれました。ということは、心理学者のアルフレッド・アドラーかもしれないです。
インスピレーション
インスピレーションを与えるのは、出会ったすべての人と僕の内側からの声です。
hiroaki maeda/Flickr
3.『見てる、知ってる、考えてる』本について
願いを叶え続けたから書けた本
僕はゲームが大好きです。僕はゲームの課金がしたいと思いました。そしてゲームの課金をしたいということを母にお願いしましたが、母が課金にはお金を出さないと言ったので、僕はお金を稼ぎたいと思いました。そして、お金を稼ぎたいと思っていた時に、日本の堀江貴文さんという方がインターネット上で、自分の経験が商品になるということを発信していました。
僕はそれを見て、本を書こうと思いました。どうして本を書こうと思ったのかをよく聞かれますけど、僕は「本を書こうと思った」ただそれだけなんです。後付けするとするならば、僕は小さい時から本は本が大好きで、本に囲まれて生きていて、それしか知らなかったからだなんだと思います。
僕は「見てる、知ってる、考えてる」を出版して、本が売れてすぐに日本のいろいろな出版社の方から2冊目の本の出版の企画の提案を頂きました。でもある時決めました。
僕は「見てる、知ってる、考えてる」を出版してくれたサンマーク出版の高橋朋宏編集長としか本は出版しません。高橋さんが本を作りましょう、と僕に連絡をくれるタイミングが次の本を書く予定に変わります。9歳の何者でもない僕を信じて本を出版してくれた高橋さんに僕は救われた。
高橋さんがいたから、今の僕があるんです。
今は、日本語、韓国語、台湾(繁体字)、ノルウェー語に翻訳されて本は出版されています。
これからドイツ語、中国語(簡体字)、ベトナム語、ポルトガル語に翻訳されて、それぞれの国で発売されることが決まっています。ロシア語で出版してロシアでも本を読んでもらいたいです。
僕はもうこの本を僕の本だとは思っていない。
この本を書いたのは僕なんだけど、
この本は、この本を読んで見つかった「何か」
その何かを見つけた人の本。
いろいろな感情を自由に感じれる本。
僕はそんな本を書いたんだって思ってる。
いい本だと言ってくれる人の声もうれしいし
ダメな本だと言ってくれる人の声もうれしい
「それはそのひとに眠っていた大切な感情」
読んでくれる人の数だけ宝が見つかる本。
僕は、この本を世界中隅々まで届けたい。
4.友達について
自分を幸せにするのに、誰にも遠慮はいらないんだ
確かに前は年上の友達が多かったです。これも自分で実験してみて、この取材で自分の体験を言葉にする事で、気付いた事なんですが、「友達がいない」そんなふうに思う時は、自分の「やりたい」に夢中になって生きる時です。それは、自分と大親友になる大チャンスの時期なんです。自分と大親友になれるのは何より最高な事!
僕は友達が出来ないことなんて問題にせず、そんなふうに毎日、自分の「好き」に夢中になって生きていました。
僕はそんなふうに生きて、本を出版したり、孫正義育英財団の会員になったり、 世界子供サミットに登壇したりする中で、いつの間にか年上の友達だけじゃなくて同じ歳の友達や年下の友達もできました。
友達は大人でもいいし、友達がいなくても別にそれは何の問題でもありません。
「友達がいない」そんな時は自分と大親友になるチャンスの時期なんだって僕は声を大にして言いたい!!
芭旺が、自分の好きや嫌いに忠実に生きているという事で、私は大人という概念や子どもという概念、大人らしくや子どもらしくという言葉への自分の思い込みに気付くとともに、大人と子供の関係性について考え直すきっかけをもらいました。
中島弥生さん
母親
自分で自分をいじめなくなって
自分を大切にしはじめたら、
僕をいじめるひとは居なくなった。
僕が僕をあつかうように
人は僕を扱って
人はそれを教えてくれる。
僕も、人に優しくなれる。
それを、人は教えてくれる。
それを、友達は教えてくれる。
僕も、友達に優しくなれる。
5.人気さについて
僕は僕であり続けます
周りから人気があるのは素直に嬉しいです!人気者になりたいって思ったら、まず自分の中で自分が一番の人気者になるっていうのが先!自分の内側が外側に現れる!これも自分で実験してみて分かりました。
今、僕は自分の願いをきいて
毎日、自分の願いを叶えつづけている
それはとても些細なことの繰り返し
パンが食べたいときには
パンを食べる
水が飲みたいときには水を飲む
そんなこと
そんなふうに
自分の中の小さいひとつひとつの
願いをないものにしない。
6.家族について
ママの部屋に行くのには飛行機に乗る
中島弥生さん
母親
現在芭旺は、父親と2人で生活しながら学校に行くという選択をして、母の私とは離れて暮らしていています。芭旺はこのことについてブログでこう書いています。
中島芭旺くん
僕達の「家族」っていう定義は辞書に載ってるのとは違う僕は、地球に住んでて僕の家はとっても広い家で、ママの部屋に行くのには飛行機に乗るっていうだけのこといつでも行けることが前提の変わった家族。
中島弥生さん
母親
サポートしていますか?との質問に対しての答えは、「私は芭旺を信頼している」という言葉が答えになるかと思います。
こわかったけど勇気を出してやめた
こわかったけど勇気を出して逃げた
そして僕はあることに気づいた。
僕をいじめていたのは僕だったってことに。
行きたくないところに行って
やりたくないことをやる
そうやって僕を毎日毎日いじめていたのは僕。
7.ロシアについて
ロシアに行ってみたいです。知らない国に行くと、その国の常識を知ることができます。違いを知ると言う事は、僕にとっては、選択肢を増やすということにつながります。
ロシア人の子供たち向けのメッセージ:
自分の想像出来る事は叶います。
自分には出来るから頭に浮かぶんです!
それと「今を生きる」ということです。
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筆者
アナスタシア・フェドトワ
デザイン
アナスタシア・フェドトワ
マルチメディア
Sputnik, 中島芭旺, Flickr, Fotolia, AP Photo
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