「髪の毛を染めるのは自傷行為」 神原由佳の話 神原由佳さんとは渋谷駅で待ち合わせた。ハチ公像の周りに集まった人混みのなかでさえ、神原さんはその金髪ですぐに見つかった。その他の点では、神原さんは同年代の日本人女性と一切変わらない。流行りのオーバーサイズコートにヌーディメイク、気恥ずかしそうな笑顔だ。 「学生時代のアルバイトで大手のスーパーの陳列とショッピングセンターの中のアパレルの店員さんを受けたんです。スーパーではカラーコードにひっかかるから(髪の毛を)染めるなら採用できるけど、染めないなら採用できないって言われました」 神原さんは子どもの頃から他人の視線は感じていたものの、外見の問題で初めて明らかに不当な経験をしたのは子ども時代ではなく、成人してからだった。 「スーパーは面接のときから、外見からしてダメそうだという雰囲気がしていて、履歴書もあまり見てもらえませんでした」 神原さんは社会福祉で大学院を修了したが、学生時代に髪色が原因でアルバイトが不採用に終わったため、一種のトラウマを感じており、現在、就職活動において自身から履歴書を送ることをためらっている状態だという。 |
この記事のための写真撮影中、私たちはカフェに入り、日本語で注文した。するとレジのバリスタは驚いたように「上手な日本語ですね。びっくりしました!どこから来たんですか?」と質問した。「私は日本人です」と神原さんが笑いながら答え、「金髪は生まれつきです」と続けると、店員は「本当?ロシアからかと思いました!」と驚愕した。後に、神原さんは、こうした状況が日常茶飯事で、日本人からは外国人だと誤解されると悲しそうに述べた。 |