悪魔の監獄。逃げることも、戻ることも、生き延びることもできない。
スプートニク日本
歴史上、最も恐ろしい強制労働監獄についての話
「監獄の中の監獄」。フランス領ギアナの沿岸13㎞、大西洋にあるサリュー諸島にかつて置かれていた最も恐ろしい受刑者収容施設はまさにこう呼ばれていた。サリュー諸島は3つの島で構成されている。ロワイヤル島、サンジョセフ島、デビルズ島(ディアブル島)である。1852年から1952年まで、これらの島々は特に危険な犯罪者のための監獄として使われていた。監獄はフランス皇帝ナポレオン3世時代に作られたものである。
監獄が存在した100年間に約80,000人がここに収容された。受刑者の大部分はついに自宅に帰ることはなかった。
フランスの写真家ロマン・ベイロン(Romain Veillon)氏が、サンジョセフ島へ向かった。この島を調査し、この恐ろしい場所が現在どうなっているのかを私たちに伝えるためだ。
Left
Right
独房の屋根を形作っている太めの枝だけで、灼熱の太陽も、年間を通して降り注ぐ雨もしのいではくれない。収監者の頭上を看守が歩き、収監者の一挙手一投足を監視し、汚物を浴びせ、嘲った。食事は3日に一度。1ヶ月に一度、ひげ剃りのために収監者は小さな小窓から頭を出した。過失を犯すと食事と光を奪われた。
サリュー諸島に勤務していたルッソ医師は次のように書いている。「ギアナの監獄は集団墓地だ。あらゆる熱帯寄生虫(マラリア蚊、線虫類、小腸の寄生虫、赤痢アメーバ)が梅毒や結核と相まって看守の手助けをしている。疫病のおかげで、看守の仕事は肉体の分解を眺めるだけでいいのだ。栄養失調、重労働、不衛生という肥沃な大地で細菌とウイルスが増殖している。残酷な理論家は満足だろう。ギアナの収監者の生存年数は平均5年しかないのだ。」
現在、3つの島はすべて観光客に公開されている。収容所所長の家には歴史に関する展示がある。収監者の手で建てられた収容所所長の家、病院、教会、独房、看守集落は、現在、フランスの歴史遺産に指定されている。
ロマン・ベイロン(Romain Veillon)氏は廃墟の写真ルポを数多く撮影しており、自らの旅について、自著『
Ask The Dust
』で紹介している。
奈良ドリームランドとベドゥグル・タマン 仏写真家の廃墟写真プロジェクト
続きを読む
悪霊はどこに潜んでいるのか? 写真で見る、バリ島の山間にある廃墟と化した巨大ホテル
続きを読む
緑に覆われた幻想的な中国の村
続きを読む
筆者: アントン・シチコフ
写真: ロマン・ベイロン
Facebook
Twitter
Youtube
Instagram
Made on
Tilda