日本でも見ることが難しい日本画の名品がモスクワで公開
スプートニク日本





モスクワで4日、「江戸絵画名品展」が開幕した。同展覧会は、露日交流年の主要行事の一つだ。作品の多くはロシアで初めての展示となる。2つの作品は「国宝」、9作品は「重要文化財」、6作品は「重要美術品」だ。


通信社「スプートニク」の記者が展示会を訪れ、主催者らに話を伺った。

展示会の主催者は、プーシキン美術館、東京国立博物館、日本文化庁。

出品件数は100件以上で、1603年から1868年までの江戸時代の様々な流派の画家たちの作品が、前半と後半に分けて公開される。

「同展覧会は私たちにとって大きな名誉であると同時に大きな喜びです。通常このような規模、このような重要性を持つ展覧会は、2~3年、あるいはそれ以上の期間をかけて準備されますが、私たちはわずか1年間で準備しました。ですから、展覧会が開催されたのは、奇跡です。日本の歴史をこれほど長い期間網羅し、日本画の潮流や流派のほぼすべての作風を紹介する展覧会は、これまでロシアだけでなく、日本国外で開催されたことはありませんでした」

マリーナ・ロシャク
プーシキン美術館長
東京国立博物館の銭谷眞美館長も、展覧会のもう一つの特徴について語ってくださった-

「東京国立博物館は、2008年にクレムリン美術館で工芸作品を中心としたサムライ展を開催しましたが、今回の展覧会はそれを越える規模になりました。出展作品の多くは東京国立博物館からの出品ですが、文化庁、千葉市美術館、板橋区立美術館などからも大変重要な作品の出品があり、そしてロシアからも重要な浮世絵を出品いただきました。この展覧会は江戸時代の絵画をほぼ網羅的に概観するもので、日本国内でもこの規模、そしてこれだけのクオリティの名品を集めて展覧会を開くことは非常に難しいことです」
展覧会は、9月4日から30日までの前半と、10月3日から28日までの後半に分けて開かれる。展示替えが行われるのは、紙や絹に描かれた作品が非常に繊細だからだ。このような作品は輸送、保管、展示に特別な条件を必要とし、日本の基準によると、4週間以上展示することができない。











展覧会のキュレーターを務めるアイヌラ・ユスーポワ氏は「ここにはそれぞれが独自の歴史を持つ本当にユニークな作品が集められています。一つの展示に、私たちが見たことのない作品、聞いたことさえない作品が集められています!」と指摘した。
日本文化庁の宮田亮平長官は、展覧会について次のようにお話ししてくださった-

「文化庁では約65年前から、文化による国際親善の増進を目指し、日本の代表的な文化財を国内外に紹介しています。ロシアでは今回が初ですから、このチャンスを大いに生かし、ロシアの皆様と深い深い友情で結ばれることを期待します。そして文化庁が一丸となって、この展覧会に対して尽力したことをご理解いただきたいと思います。ロシアの皆様に日本の持つひとつの美しさを、日本人と共同で理解いただき、称えていくことができたら嬉しいです」。

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展覧会に伴い、教育プログラムも開催されている。プーシキン美術館では7月と8月に日本の歴史、文化、芸術に関するレクチャー、墨絵や書道のワークショップが開かれた。秋には日本およびロシアの専門家らによる江戸文化に関するレクチャーがさらに9つ予定されている。また10月には、日本の浮世絵職人たちが木版画技術の秘密を披露する。日本の芸術を愛する人々とって、サプライズとなるだろう。
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