「同じ魚が泳いでいて、同じ鳥が飛んでいるわけですよ。あっちもこっちも。なのに住んでいる人が違うだけでここまで世界観が違ってしまう。」かつてのクナシル(国後)島旅行を思い出し、日本人の写真家、菱田雄介氏が語る。当時発見したロシアと日本の構造の違いは、菱田氏に国境の意味を再考させた。菱田氏はすでに10年間、地図上の一本の細い線が、その両側に住む数百万の人びとの運命に及ぼす影響を研究している。菱田氏は最近、北朝鮮と韓国に関する作品『border|korea』を完成させた。この作品はすぐさま人気を得た。菱田氏はスプートニクのインタビューで、生まれた時にはなかった日本に対するノスタルジーを北朝鮮で感じたと語った。